触れることができるアート

服は、肌に触れるアート
作り手の思いが織り込まれた布は、
手紡ぎの糸のように温かく、
機械織りの糸のように強い
人は、服を纏うことで作り手の哲学を感じる
服は、感情を映す鏡
色は気分を表すもの、
形はスタイルを表すもの、
素材は質感を表すもの
私は、自分の心を服に託す
感じている心地よさ、痛みも表現する
“KAKANを着る”
それは日常の特別な瞬間
朝、クローゼットを開けるとき、
今日はどんな自分になりたいのか
服を選ぶことは、
自分を選ぶこと、自分の思惟を表すこと
自分らしく生きる
自分を好きになれる
自分を誇りに思える
服を着るという毎日が
あなたの人生の一部になるように
あなたらしく生きるきっかけとなるよう、
私は服を作り続ける
私は、服を作ることで自分を楽しむ
私は、服を作ることで自分を超える
私は、服にあなたがあると思う
(brand message : KAKAN)
デザイナー工藤花観氏によって手掛けられる
デザイナーズブランド、
KAKAN
KAKANの25AWコレクションのローンチ直前と
先行予約受付に際して、
KAKANをピックアップ。
日本人デザイナーならではの
繊細な感性と丁寧なモノづくり、
インターナショナルな視野で培われた
クリエイティブが融合した、
KAKANの魅力をご覧ください。
Amanojak.メインバイヤーによる
バイヤーズノートでも
KAKANの魅力に迫っていますので、
併せてご覧くださいませ。
「今季一番の衝撃が走るであろうニューブランド」
KAKAN
2024年に設立されたKAKANは、
デザイナー工藤花観が手がける
日本発のニットブランド、
KAKAN
セントラルセントマーチンズと
イスティチュート マランゴーニ ミラノでの
学びを経て培われた国際的な視野と、
日本人としての
繊細な美意識が融合したKAKANは、
「服は、肌に触れるアート」という
独自の哲学のもと、
従来のニットウェアの概念を静かに、
しかし確実に更新し続けています。
作り手の思いが織り込まれた布は、
手紡ぎの糸のように温かく、
機械織りの糸のように強いものです。
人は服を纏うことで作り手の哲学を感じ、
服は感情を映す鏡となります。
色は気分を、形はスタイルを、
素材は質感を表現するのです。
工藤花観にとってファッションとは
生き方そのものであり、
「共生していること」を理解し尊重すること。
同時に、
それと対峙し向き合うことができる術でもあります。
KAKANが最も大切にするのは、
製品が長い間愛され、
使用されることによって
その価値が最大化されるという考えです。
適切な素材が選ばれ、適切な方法で生産され、
それが身につける人の気分を高め、
そのアイテムを纏う人と空間を
共有する人々もまたその姿を見て楽しめること。
これがKAKANの目指す
ものづくりの本質となっています。
デザイナープロフィール
工藤花観 / Kakan Kudo
1998年東京生まれ。
2018年にロンドン芸術大学
セントラルセントマーチンズの
ファウンデーションコースを卒業。
その後、
ミラノのイスティチュート マランゴーニにて
ファッションデザインを学び、
2022年に卒業。
2024年にKAKANを設立しました。
国際的な環境で学んだ経験と
日本人としてのアイデンティティを融合させ、
独自の美意識を追求するデザイナーです。
「私がファッション、
おしゃれをすることが好きな理由は
自分自身を
『ちょっと好きになる』ことができるから」
という言葉に表れているように、
着る人の内なる自信を育むことを大切にしています。
【HAND-SPUN KNITWEAR】
手紡ぎニットウェア
KAKANの代表的な技術の一つが、
手紡ぎの糸による手編みニットウェアです。
そもそもニットウェアのデザインは
テキスタイルデザインから始まりますが、
KAKANでは「糸を紡ぐ」という工程を加えることで、
より深く素材と向き合っています。
羊の種類による風合いの違いや
色の組み合わせを自由に調整する作業は、
まるで水彩画を描くように
テキスタイルをデザインすることを
可能にしているのです。
編む工程も従来の服作りとは異なり、
編み上げる形を決めずに編み始めています。
その素材自体がなりたい形を模索しながら
編み進めていくという、
これまでにない手法です。
これが可能となったのは、
手紡ぎによって糸が不規則な形状であったことと、
全体を透かし柄で構成したからでしょう。
強く撚られて縮れた部分は
着用したときの力のかかり方や重みで不均一に伸び、
予想外の動きや表情を生んでいます。
工業的に作られたものにはない
野生的な魅力と、
それをウェアラブルにする
可能性を感じさせる技術こそが、
KAKANの手紡ぎニットウェアの特色です。
【WHOLE GARMENT TECHNOLOGY】
ホールガーメント技術との
融合
KAKANのもう一つの特徴的な技術が、
手紡ぎニットウェアと
ホールガーメント技術の組み合わせです。
ホールガーメントとは
最初から筒の状態で編まれる
機械編みのニットウェアのことで、
縫い合わせるプロセスを大幅に削減し、
使用される毛糸の量も
必要最低限となることが利点。
衣服全体に縫い目がないことから、
透ける素材であっても
美しく身体にフィットするドレスを実現しています。
最小限の素材の使用と
将来的な生産過程にかかる労力を節約することは、
あらゆる製造においても考慮されるべきことであり、
自身のクリエイティビティや表現方法に
最適なサステナビリティを
検討することに繋がっているのです。
手作業の温かみと
機械技術の精密さが融合したこの手法は、
より良い品質のものづくりに繋がるだけでなく、
寛容で豊かな想像力に繋がると
KAKANは考えています。
【SUSTAINABLE MATERIALS】
サステナブルな素材選択
KAKANのサステナビリティに対するアプローチは、
声高に主張されるものではありません。
むしろ本質的な持続可能性を静かに追求しています。
「エコ」な素材や
「リサイクル」素材を使った製品が
文字通りそうであるかどうかを
常に慎重に検討してコレクションを作成。
例えばフェイクレザーや植物ベースのレザーは
環境に良いと考えられていますが、
時間の経過とともに
美しくエイジングすることはなく、
数年後には劣化をしてしまうかもしれません。
KAKANの制作の中心でもある
ニットウェアは動物の毛が
使用されることが多いのですが、
動物によっては赤ちゃんや若い頃のウールだけが
品質と希少性のために評価されています。
しかしここにもまた
セカンドオプションが。
大人のウールは
想像する柔らかいものとは異なりますが、
靭性と耐久性に長けており非常に長持ちするのです。
動物であろうと植物であろうと、
自然から与えられているものを
一方的に消費する立場から、
それらと「共生していること」を理解し
尊重する必要があります。
これがKAKANのサステナビリティに対する
基本的な考え方です。
【25AW COLLECTION - SPRING EPHEMERAL】
2025年秋冬コレクション
KAKAN Fall/Winter 25-26コレクションのテーマは、
「Spring ephemeral」
これは雪解けの頃に花を開き、
本格的な春を迎える前に枯れて地中に潜る
一連の草花の総称を指しています。
地上に顔を見せるのは2ヶ月間のみで、
残りの時間は地下で過ごすこれらの植物は、
強さと儚さの二面性を持ってるのです。
毎冬の厳しい寒さを乗り越える生命力が、
冬の終りから春の初めの短期間に活動をする
数少ない虫たちを魅了します。
またSpring ephemeralが氷河期をも乗り越え
今日も存続できた理由には、
縄文時代の人々が
手入れを続けたからという説も。
このテーマを通じて、
工藤花観は現代社会における
複雑さに向き合っています。
「わからない」ことへの恐れが
「わかりやすい」に変換されがちな今日において、
目に見えるものと見えないもの、
正と誤、善と悪など、
全てのものごとには「答え」以外の
側面も存在するという考えを表現。
私たちの感覚や考えが
実際に目で見ることができるものだけに
制限されているかもしれないという問いかけから、
より寛容で豊かな想像力へと導く
クリエイティブとなっているのです。
【DESIGN PHILOSOPHY】
デザイン哲学
KAKANにとって最も重要なのは、
ファッションを通じて着る人が
「自分自身をちょっと好きになる」ことが
できるということです。
服と着る者との戯れ、遊び心、
ありのままでいて内から溢れる自信。
それこそがKAKANが
人々にもたらしたい美しさなのです。
朝、クローゼットを開けるとき、
「今日はどんな自分になりたいのか」を
問いかける瞬間があります。
服を選ぶことは自分を選ぶこと、
自分の思惟を表すことなのです。
全ての服は同じ製品であっても着る手が変われば、
同じ服には決してなりません。
なぜならば全ての素材とその衣服に
特徴があるように、
それらを装う人々もありのままでいて
多様であり個性があるからです。
ファッションとは
何であったかを捉えようと取り組むことは、
より良い品質のものづくりに繋がるだけでなく
寛容で豊かな想像力に繋がります。
それこそが感性であり、
楽しく服を着る、
そして生きるということ
そのものであるとKAKANは考えているのです。
【ARTISANAL CRAFTSMANSHIP】
職人的技術と
クリエイティビティ
KAKANが目指すのは、
「触れることができるデザイン」であり
「アート」です。
美術作品を鑑賞するとき、
多くの場合それらに触れることは許されませんが、
衣服は直接素肌や粘膜に触れ、
作り手の思いや哲学をユーザーに届けます。
生活を快適にするための機能性以上に、
身につける人の気持ちをワクワクさせ、
ドキドキさせることができる
独自性とコミュニケーションを通して、
KAKANはファッションデザインに
取り組んでいるのです。
服を着るという日常的なアクションが、
その選択が、着る人の人生の一部となり、
未来について考えていくための伴となるように。
これが今後も続いていく
KAKANのクリエーションの
大切なコンセプトとなっています。
伝統的な手仕事と革新的な技術をもってして、
普遍的でありながらも
ニットウェアの更なる進化と深化を探求する、
KAKANの心意気が詰まった作品を、
ぜひご体験ください。
(written by SHIRAKAWA)