コンテンツにスキップ
Amanojak.Amanojak.

失われた美を再構築する
【FRACTION】
26SS Order Meeting

 


おはようございます。

こんにちは。

こんばんは。


Amanojak.横田です!


先々週には

kiminori morishita
Launch Event


一昨日まで

Maison MIHARA YASUHIRO
25AW POP-UP

と今月もイベントを開催しておりました!


どちらも多くのお客様にお越しいただき、
誠にありがとうございました。

今月はこの2つだけだなと
思って気を抜こうと思っていたのですが笑


先週の木曜日に展示会に伺った際
あまりのラインナップの良さに
これは皆様にフルラインナップで
見てもらわねば……!!


と思い

その場でイベントの開催を決定し、
急ピッチで詳細を決めた
イベントを開催いたします。


それがこちら


-----------------------------------------------------------------


Title :

【FRACTION】
26SS Order Meeting


Date :
2025/9/27(Sat)〜2025/9/30(Tue)


Place :
Amanojak. 北千住店
(東京都足立区千住中居町18-10)
TEL : 03-4400-2094


Event :

今回のイベントでは
26SSシーズンのコレクションを
フルラインナップでご用意して
受注販売会を開催いたします。

フルラインナップでご用意することで
ブランドのフィロソフィーを存分に
感じてもらいながら
実際にサンプルをご試着いただき、
オーダーを承ります。

また、ボタンのカスタムも承ります。


9/27(Sat).9/28(Sun)は
デザイナーの中野皓氏が在店いたします。
ブランドのフィロソフィーや
製作にまつわるエピソード、
素材へのこだわりなどを直接聞ける
貴重な機会となります。

※SNSなどでご覧いただきました商品
お問い合わせでの通販にて
ご購入も可能でございます。
お気軽にご連絡くださいませ。


-----------------------------------------------------------------


前回大好評をいただいたイベントを
今回も開催いたします!!

まずはブランドについて
ざっくりとしたご紹介から


【FRACTION(フラクション)】


2025SSシーズンからスタートし、

デザイナー中野皓氏が
自身の哲学を元に立ち上げた、
新進気鋭のデザイナーズブランド、
FRACTION (フラクション)

英語で「僅かな、一部」
意味するブランド名には、
社会の中で見過ごされがちな
「隅にいる存在」
「取るに足らないと見なされるもの」
真の価値を見出す
デザイナーの想いが込められています。

世界的モードブランドでの経験を経て、

設立されたFRACTIONの核となるのは、
素材とパターンへの揺るぎないこだわり。



特にレザープロダクトと
テーラードジャケットは、
中野氏の豊富な経験と
アーティザナルな手法が融合した、
FRACTIONの真髄といえるアイテム。


中野氏の信念のもと、
精緻で洗練されたクリエイションを
追求しています。

 

続きまして
26SSシーズンのご説明、
ご紹介をさせていただこうと思いますが

 

今回に関しては
デザイナー中野氏からいただいた
実際の文章を引用しながら

僕の方で何点かの
用語解説、注釈などを
させていただく方法が

最もfraction 26SSに
興味を持っていただきつつ
ご理解いただけるとおもいましたので
その方法を取らせていただきます。

 

さらにブログを読んでいただくうえで、


史実の表現と私的表現らしさ。
抑圧と解放。

 

という相反する要素を念頭に置いて
読んでいただくと
読みやすくなるかと思います。

 

まずはシーズンテーマから。
fraction 26SSシーズンのテーマは


【消えた、或いは消えゆく認識】


1943年に逝去された
イギリスの作曲家
ギャビン・ブライヤーズが
タイタニック号が沈む前、
沈んだ際の史料、当時の音楽
登場していた楽団員など様々な角度か
当時船内で流れていたと思われる
音楽を実現、再構築したことに
着想を得たシーズンです。


中野氏は


「かつてテーラードは
毛芯を使用した仕立てにより、
年代ごとに完成された美しさを迎えてます。

それが資本主義や物質主義の影響下で、
より安価で効率的な仕立て方と変容し、
接着芯で革命が起こりました。

接着芯の革命は、
より自由で効率的に
立体物が作れるようになったと思います。
しかし今、毛芯を用いた
クラシックな仕立て方を行うことで、
新鮮さをもたらすことができないかと考えました。

それに際し、今期は毛芯を作成して、
使用しています。

それ以外にも
ドレスシャツには接着芯を使用せず、
マーベルトも毛芯入りの
マーベルトを使用しています。」


と語ります。

 

ここで注釈。
毛芯と接着芯についてです。

 

これらは総称して
芯地と呼ばれるもので

スーツやジャケットの
表地と裏地の間に入れる
副資材のことを指し、
シルエットを
安定させ
くたびれにくくする補強材と
いうとわかりやすいかとおもいます。

接着芯その名の通り
縫いではなく接着によって
芯地をつける方法です。

多くの既成スーツ、
ジャケットに使用されるもので
安価で比較的に簡単ですが、
経年劣化の中で
のぺっとした印象になってしまったり、

薄めの芯地のため
力強いシルエットを作ることが
難しいというデメリットもあります。


それに対して毛芯は縫いを使用して
芯地をつける方法です。

一般的に毛芯の方が
厚み、ハリがありそれによって
構築的なフォルム、立体感が出やすい。
またジャケット自体がくたびれにくい
と言う利点があるのに対して、

資材自体も高く、
手間も多くなってしまうので
高価で比較的重さが出てしまうことが
デメリットとして挙げられます。


今回のコレクションでの原点は

失われた、または失われつつある
かつての完成された美の再構築。


これを表現するために中野氏は
仕立て屋とのリレーションの中で
毛芯を独自作成。


それによりクオリティに対して
異常に安価かつ、軽く、着心地のいい
毛芯のデメリットをクリアした毛芯を作成し
多くのアイテムに採用。

史実の表現と私的表現を交えた
日本の洋服史に一石を投じるような

"かつての完成された美"

を現代に提示しています。

 

また2月にエゴンシーレをめぐる
ウィーン旅行へ行ったことも
多大な影響を受けたと
おっしゃっていました。


ウィーン自然史博物館、
またそこに併合されている
愚者の塔を訪れた中野氏は
そこに寄贈された死体や人骨、
内臓の数々から、


「人体ならびに第二の皮膚としての
衣類の有機性を
考えざるを得ない経験でした。」


と語り


その経験は既存のデザインで製作した
ジャケットやシャツ、パンツを解剖し
デザインすることへと繋がり、

よりコレクションに
奥行きと広がりをもたらしています。

 

またウィーン滞在中には
かつてフロイトが度々訪れたとされる
カフェツェントラル、

様々な文化人が訪れたとされる
レオポルドハヴェルカに訪れ
独特の文化を感じた経験を


ダブルのテーラード、
巻きスカートとして表現。


それらが単なる再現にとどまらず、
中野氏の"私的表現"として
プロダクトに落とし込まれています。


さらにブライヤーズからならった
史実の表現と私的表現らしさ。

かつての完成された美の解釈と再解釈。

デザイナー自身の経験したウィーン。


「これらはウィーンのフェティシズムから
連想されたラモーンズの手錠に帰結します。」


と彼は語ります。

 

少しだけ注釈を入れされていただくと、
フェティシズムは一般的に
性的嗜好のことを指すことが多いですが、
今回は本来の意味合いである

フランス語の
「フェティッシュ(物神、呪物)」に
由来する特定の対象や
その一部を
偏愛する態度

を指したほうが
ご理解いただけるかとおもいます。


続いてラモーンズとは
1974年に結成された
アメリカのパンクバンド。

2002年には『ロックの殿堂』入り
ローリング・ストーンズ誌が選ぶ
「歴史上最も偉大な100組のアーティスト」
第26位に選ばれた
パンクシーンにおいて
多大な影響をもたらしたパンクバンドです。


そんなラモーンズの
CDの写真撮影などの際に
レザージャケットに
装着されていたのが
ドイツの簡易手錠でした。


その簡易手錠がジャケットやパンツに
装着された様を

「私の半年間の経験を反映し、
単なるかつての美の再生だけではない
ある種濁りのある
コレクションの仕上げとなってます。」


と語ります。

これはウィーンでのフェティシズム的体験、
そしてラモーンズの象徴を掛け合わせることで、
ある種の"濁り"
含んだ唯一無二の存在感を放っています。


今シーズンの原点はあくまで

失われた、
または失われつつある
かつての完成された美の再構築。


それを自身の解釈、経験を通し
ただ美しいだけでなく、
そこに歪みや葛藤を抱えた、

"私的表現"

として昇華し
繊細に力強く表現しています。


本コレクションを
より理解していただくための
キーワードの

抑圧と解放。


それはコレクションのスタイリングや、
アイテム本来のソースとテキスタイルの
取り合わせに反映されています。

「本来であれば身体を守るため
モーターサイクルコート(抑圧)を
あえて軽いリネンでつくる(解放)とか

スタイリング面でも、
抑圧的ともいえるがっちりした
フル毛芯のジャケットや
レザーがあるんだけど、
巻きスカートみたいな
解放的なのを混ぜたりとか」



これらによって
単体では持ち得ない緊張感が
スタイリング全体に生まれます。


この対比は単に視覚的なギャップではなく、
着る人はレザー、ジャケットの力強さに
よって守られつつも、
リネンやスカートの軽快さによって
解き放たれる。


その矛盾の同居こそが
現代を生きる私たちの姿であり、
FRACTIONが解釈する

“現代の装い”

なのだと提示されています。


また一部アイテムに関しては
1stシーズン、2ndシーズンと
アプローチを変えて作成。


その最たる成功例として、
これはよくできたと語っていたのが



CHET SHIRT


よくオイルの入ったピッグレザーを
採用した今作は
平時中野氏が取る手法である


大まかなラフスケッチ

パターン修正を繰り返す


ではなく

ラフスケッチの段階で
肩幅、身幅などの値はもちろん
肩の付け方や
ステッチの位置、間隔などの
細部を確定し作成に入ることで


前述した平時のやり方を
とらないことによる
若干の違和感と新鮮さを
もたらしています。


ここら辺に関しては
実際に着て頂かないと
難しいところではあるので
ぜひ店頭で。


さらに毎シーズンのテーマである


直線/曲線


の新提案として
デザイナーが憧れと語る
大スター松田優作氏の
着用されていたパンツに
由来している
フレアシルエットの一本


YM TROUSER

オーガンジー素材ながら
ジャケット然とした
美しい佇まいが印象的な



ATELIER JACKET 1



ATELIER JACKET 2



など幅広くも濃密に
中野氏の理念を反映した
珠玉のコレクションが並びます。


また一部アイテムに関しては
前回同様四分一ボタンへの
カスタムが可能となっております。


四分一(別名朧銀)ボタン


...Cu74% Ag25% Au1%
銅74% 銀25% 金1%の合金で
造られたオリジナルボタン。


江戸時代に生産され
今では忘れられつつある合金、
四分一という貴重な合金を
ブランドオリジナルで再現しています。


+料金にはなりますが、
このボタンをつけるだけで
他にはない圧倒的にスペシャルな
1着になりますので
ぜひご検討ください。




いかがでしたでしょうか??


情報量の洪水というか、
雨あられというか...笑

ただ実際には
まだ触れてすらない情報もありますので
そこに関してもぜひ店頭で。

 

今回のイベントは、
デザイナー中野皓氏が
自身の哲学と経験を織り込み、

史実と私的表現を行き来しながら構築した
極めて濃密なコレクションを
フルラインナップでご覧いただける、
またとない機会となります。


失われつつあるかつての仕立ての美を
現代に再構築した一着に、

自信の経験からくる私的表現である
簡易手錠を組み合わせた
ただ美しいだけではなく、
そこに歪みや葛藤を孕み、

纏う人に“現代を生きる装い”としての
力を与えてくれるラインナップ。


着用する度に感じる
素材・仕立て・哲学が織りなす確かな存在感。

言葉ではなく、実際に袖を通すことで、
その深みを実感していただけます。


また9/27(Sat).9/28(Sun)には、
デザイナー中野氏ご本人も在店し、

ブランドの哲学や制作背景を
直接語っていただける貴重な機会。

ものづくりへのこだわりや、
その裏側にある想いを知ることで、
一着への愛着も
より一層深まる機会となります。


遠方の方は通販でのご対応も可能ですので、
ぜひお気軽にお問い合わせください。


この数日間だけの特別な受注会、
FRACTIONの世界観を
余すことなく体感できる機会を
どうぞお見逃しなく。

皆様のご来店を、
心よりお待ちしております。



ではでは失礼します👋



(staff:YOKOTA)

Cart

カートは現在空です。

買い物を始める

オプションを選択