伝統を解体し、構成で再生する。

おはようございます。
こんにちは。
こんばんは。
Amanojak.の横田です!
今シーズンも
このイベントを開催いたします🔥
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PRASTHANA 26SS
Order Meeting
Store Date :
10/24(Fri.)〜10/26(Sun.)
Place :
Amanojak. 北千住店
(東京都足立区千住中居町18-10)
Event :
会期中の10/25(Sat.)は
デザイナー武井氏が在店し、
直接に対応いただける貴重な機会となります。
※全額前払いでの受注方式です。
※受注商品の生産数には上限がございます。
POP UP終了前に売り切れになる場合があります。
予めご了承ください。
※受注商品のお届けは各アイテムにより異なります。
2月~4月を予定しております。
※SNSなどでご覧いただきました商品を
お問い合わせでの通販にての
オーダー、購入も可能でございます。
お気軽にご連絡くださいませ。
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Amanojak.ではお馴染みのブランドですが、
少しだけ概要について
お話をさせていただいてから
本題に入ろうと思います。

PRASTHANAは
毎シーズン明確なテーマや
コンセプトは掲げず
ブランドコンセプトとなる
[form,function&idea]
=
[形態、機能、発想]
を主軸に
[和装]
[TECH]
[ARTISANAL]
[BAUHAUS]
以上4つの要素をシーズン問わず
ブランドの根幹を担う
コンセプトとして掲げています。
この4要素から見て取れますが
一見相容れないように思える要素が
混在するのがブランドの特徴でもあります。
服飾のみならずの厚く豊かな経験、
生い立ちと浴びてきたカルチャー、
アルチザンへの造詣の深さとリスペクト、
そんなバックグラウンドがある
デザイナー武井氏が製作するからこその
前述の4要素がハイブリッドされた末の
"説得力と美しき昇華"
これがPRASTHANAという
ブランドだと思います。
さて今回のイベントの本題となる
26SSシーズンのお話に移ろうと思いますが
その前に今シーズンは制作をする上での
キーワードを定義、それが
fault or composition
[断層或いは構成]

「fault」は「断層」「欠陥」「誤り」を意味し、
対して
「composition」は「完成された構成」を
想起させる単語で
一見対極にあるこの二つの概念を
「或いは(or)」で結び、
視点や距離の違いによって
価値や評価が反転し得ることを示唆する。
構造のずれ、線の揺らぎ、
秩序の中に潜む“誤差”。
それらは破綻ではなく、
構造を更新するための微細な地震である。
合理性の軸からわずかに逸脱した線と面が、
新たな美の創造する。

視点の置き方ひとつで
「誤り」
は
「構成」
へと転じる。
その揺らぎの中にこそ、
創造の根源的な面白さが潜む。
そんな26SSシーズンの
キーワードを
最も体現しているのが
[fault or composition] jacket
[fault or composition] sarrouel trousers

キーワードを冠した
今シーズンを象徴するセットアップ。
テキスタイルはリネンと和紙を混紡した
超高密度ウェザークロスを採用し、
先染によるブラックと、
備長炭を原材料とした染料を用いた
墨染黒色の2色展開。

ジャケットは意図的に構造線をずらした
パターンによって形成され、
身体の可動域を理解した上で
運動との親和性を高めるよう
に作成した型紙が形成する
独特なアウトラインは
従来のジャケットともブルゾンとも違う
新たな価値観を提案します。

前振りの設定、
台場仕立ての内ポケットなど
prasthanaのジャケットにおける
踏襲すべき箇所は踏襲しつつも
アンコン仕立てにより、
軽やかな着心地に。
それに対して
フロントのメタルボタンは
デザイナーが一点一点手作業による
削加工を行い朽ちたような
荒々しい表情を見せ、
正確さと逸脱が共存する
今シーズンらしい緊張感を放ちます。
サルエルトラウザーは、
ブランドが長年追求してきた
"ドロップスタイル"を
より現代的なバランスで再構築。

股の深さや丈感を抑え、
構造的でありながらも
日常に溶け込むシルエットへと
アップデート。
意図的な“ずれ”がもたらす違和感と、
身体との高い親和性が
同居する一着になっております。

Y2Kブームからの派生や
アメカジ回帰の派生として
直近の展示会では複数のブランドで
提案のあったサルエルパンツ。
ですが、サルエルを
ブランドのコアアイテムとして
作り続け提案し続けてきた
prasthanaと
シーズン性で提案しているブランドでは
シルエットの洗練され具合に
雲泥の差を感じています。
ぜひブランドのコアアイテムを
この機会に着用していただければと思います。
個人的に受注会でぜひ着ていただきたい
品番がこのアイテム
deep crotch over all

既存のワーク像を離れ、
ブランドが提案し続けている
ドロップスタイル
×
2種の素材対比で
ブランドの理念を色濃く表現した一作。
2種の素材には
オーガニックコットン・バックツイル
と
「LIMONTA」社の高収斂ポリエステル
を採用。
オーガニックコットン・バックツイルは
厚みとタフさ+ネップの奥行き。
さらに墨染めのような
和のニュアンスを併せ持ち
prasthanaがシーズンを問わず
コンセプトとして掲げる
[和装]
のニュアンスを感じさせる。
また
「LIMONTA」高収斂ポリエステルは
prasthanaでは断続的に採用しており、
微ストレッチ性、撥水性、透湿性といった
テクニカルかつ高級感のある素材で

4要素のうちの
[TECH]
を感じ取ることができる。
ディティールとしては
今シーズンのキーワード
「fault or composition」のもと
構造との調和で新しい美を提示。
美しさは装飾ではなく、
目的に忠実な構造や機能から
生まれるとする考え方で
こちらも4要素として掲げている
[BAUHAUS]
にも通じるデイティールワーク。
さらにボディ接続部のカシメは
デザイナーが一点一点
ハンマーワークで加工を施します。
一点一点個体差があり、
大量生産品にはない、
手仕事の痕跡を色濃く反映させた要素として、
[ARTISANAL]
な空気感をアイテムに与えています。

prasthanaの4要素を色濃く反映し
凝縮したような1着をぜひ店頭で。
flux arm3 t-shirt
offset extension tank top
prasthanaで毎シーズン人気かつ
圧倒的リピート率を誇る
カットソーカテゴリーも刷新。
リップルジャージー
と
スビンギザ天竺
こちらも2素材ご用意ですが、
個人的には
リップルジャージーを推したい。

ポリエステル/ポリウレタン混紡の
リップルジャージーは、
深い畝構造による陰影と、
本当にわずかな透け感。
清涼なタッチ、優れた速乾性、
そして強靭なキックバック性能を併せ持ち、
prasthanaの定番“AQUA RIB”シリーズの
正当後継として提案する
prasthanaのニューベーシックテキスタイル。
flux arm3 t-shirtは、
ドルマンスリーブ型の
ショートスリーブTシャツ。
前後見頃の2面構成に加え、
脇下に一面を設けた“3面パターン”ゆえに、
着用すると身体の動きに呼応して
流れるようなドレープを生み出します。
さらに絶妙な開きの首元、
裏バインディングによる堅牢な縫製。

一見ミニマルながら、
緊張感と色気を内包する
一作となっております。
offset extension tank topは、
左右非対称の着丈、
スクエアなカッティングが印象的な
タンクトップ。

建築物を思わせるようなスクエアの
カッティングを用い、
prasthana定番のロングレングス。
一枚着としてはもとより、
インナー使用時に
特に映える独自性を持ちます。
両サイドヘムに配した
深いスリットと
独自のカッティングが、
スタイリングを
表情豊かに作り上げます。

「fault or composition=断層或いは構成」
の思想を、
最もシンプルな衣服カテゴリー
“カットソー”
に落とし込んだシリーズ。
余計な装飾を削ぎ、
構造そのものの美しさを
露わにすることで、
prasthanaが提案する
美しさを象徴する存在となっています。
ウェアについては
まだまだご用意がありますが、
個人的推し品番を
紹介させていただきましたので
あとは店頭で。
続きまして昨シーズンからスタートした
神戸を拠点とする
レザーシューズアルチザンブランド
「Portaille 」とprasthanaの協業
プロジェクト
「p/p」
から第二弾プロダクトがリリース。
非常に端的にいうのであれば、
内羽根(Balmoral)仕様
レースアップブーツ。

クラシカルなスタイルを土台にしながら、
その内部構造を再解釈することで、
靴というプロダクトに
「美意識の再構築」を提示した一足です。
メインマテリアルは日本が世界に誇る
レザーの産地姫路の老舗タンナーによる
"茶芯のホースレザー"
を採用。

きめ細やかで柔らかな質感、
鈍い光沢を持つこの革は、
表層の黒が摩耗するごとに、
内側から現れる“茶”のニュアンスを
楽しむことができ、
徐々に使用者の物語を感じさせる
深い履歴が刻み込まれていきます。
そんな超高品質レザーに
ビブラムソールを装着し、
8ホールで
シルク/レーヨン混紡による
江戸打ち組紐を採用、
男性的で凛とした雰囲気を助長します。
またレースアップシューズの
弱点とされがちな
着脱の億劫さに関しても
バックジップを配することで解消。

しかもYKK EXCELLAファスナー。
さらにマッケイの軽快さと
グッドイヤーの耐久性を併せ持ち
オールソール交換にも対応する
BLACK RAPID製法を採用。
細部に至るまでとことん
妥協のない選択をとるのも
デザイナーのモノ作りへの
真摯さが見て取れます。
そして皆様が気になっているであろう、
メタルヒール
が今作の最注目ディティール。
古来からある鋳造方法、
砂型鋳造(サンドキャスト)
を用いて制作されたパーツは、
原型からオリジナルで作成し、
細かな修正を密に行い、
作り上げています。
そもそも砂型鋳造(サンドキャスト)とは
砂で作った型(鋳型)に
溶けた金属を流し込み、
冷却・固化させて
パーツを成形する
伝統的な鋳造技法。
砂型は一度使用すると崩壊するため、
同じものを複数作ることが極めて困難で
工業的な「正確さ」「効率性」から遠い
鋳造方法とされ、
次世代の担い手も少ないという実情から
数十年の間にロストテクノロジーとして
扱われる可能性のある技術です。

その反面、型の製作から仕上げまで、
全工程が人の手に委ねられ、
機械的合理性よりも
「人の感覚」に依存し、
鋳造後の表面は滑らかではなく、
独特のざらつきや砂つぶの跡を残す

"人の手の痕跡"を強く感じる
唯一無二かつ、P/Pには最も適した
鋳造方法だと断言できます。
メタルヒールの着想源は、
モードやアルチザンの文脈に息づく
“靴を彫刻として扱う”表現の系譜。
P/Pはそこに自らの美的感覚を注入し、
構造の一部を
再構築することで
完成へ至る。
という方法論を提示し
既視感のない表現ながらも、
脈々と受け継がれる文脈を理解し、
日本の手仕事でそれを作る
という武井氏らしい実直で
質実剛健なプロダクトだといえます。
両サイドにはドイツの芸術家、
WASSILY KANDINSKYの作品
「COMPOSITION」から
インスピレーションを得た
切り替え線をデザインとして配し、
ミニマルなアッパーデザインに
「idea=アート性」を付加。

「世に溢れる大量生産品とは一線を画す、
真に価値のある創造を体現するピースとして、
強い存在感を放ちます。」
とデザイナーが笑顔で語る
この一足は
茶芯のレースアップシューズという
非常にクラシックな土台
を採用しながらも、
メタルヒールと
サイドの切り替えデザインという
エッセンスを加えることで、
一気にモダンにモードに
既視感のないものに作り変える。
「伝統を解体し、
構成で再生する。」
そんな概念が息づき
クラシックとモード、
アートとクラフト、
伝統と革新が交錯する一足です。

装飾ではなく構成によって美を語り、
合理ではなく
不合理の中の必然によって生まれた
渾身のプロダクトをぜひ店頭で。
いかがでしたでしょうか??
今回も蛇足がなく、
武井氏のパーソナリティと
美意識が反映された
ラインナップはどのピースにも、
確かな意志と構築の美が息づいています。
構築の正確さの中に、わずかな揺らぎ。
その“違和”こそが、
prasthanaが描く現代の美。
ぜひこの機会に、
fault or composition [断層或いは構成]
という思想が宿る
prasthana 26SSの世界観を、
Amanojak. 北千住店で
直接体感してください。

また 10/25(Sat.)はデザイナーが在店し、
直接プロダクトについて
お話を聞ける
大変貴重な機会になっております。
ぜひ店頭にお越しいただければと思います。
今週末の3日間
皆様のご来店をデザイナーと共に
心よりお待ちしております。
ではでは失礼します👋
(staff:YOKOTA)